反り変形の対策(1) 変形量の計測

対策の入り口は反り変形状況の定義です。問題状況から、それに見合った定量的変形量定義を考えます。

(1)反り変形で組み立てができない場合
組み立てを阻害している部位の変形量を計測します。図のように、ボス位置がずれているなら、その量を計測します。ボス間のピッチ寸法の計測でもいいでしょう。

(2)相手部品との見栄えスキが問題の場合
そのスキ量を計測します。

(3)反り変形で意匠面にゆがみが生じるケース
これはやっかいです。人間の目は極めて鋭敏ですので、わずか数ミクロンのゆがみも発見できます。しかし、数ミクロンの物理量の計測は困難です。このケースでは、ゆがみのレベル違い品を5段階程度準備して、官能的に比較することが現実的です。

計測に際して、樹脂部品ならではの注意点があります。置き方です。
多くの樹脂部品は、容易に自重変形します。自重変形を許容するために、常に一体の置き方にします。計測値には自重変形分も含まれる懸念はありますが、常に同じ置き方ですので自重分は一定と考えられます。

計測精度に関しては、我慢できる範囲でラフな計測を考えます。精密計測の場合、その場で計測できないケースが多く、計測時間も掛かります。我慢できる範囲で簡便な方法を選び、現場でさっさと計測し、すぐに対策検討を回すことが肝要です。