帝人におけるSDGsへの取組み

帝人は、鈴木純社長自らの講演でした。

説明の流れは、
  企業理念⇒長期ビジョン⇒行動規範
でした。従業員の行動規範は、SDGsと結び付けた活動となっています。

企業理念からの導入になる点は、トヨタ自動車が豊田綱領に紐づけてSDGsを説明していたことと通じると感じました。いきなりSDGsに取り組むのではなく、企業の本質の理念からの活動とすることなのでしょう。ちなみに、先ほど聴いたばかりですが、サントリの活動の説明も、企業理念からでした。サントリの内容も数日後にはここにアップします。

帝人グローバルでの外国人割合は50%とのことで、いずれのメッセージも英語でも同時発信です。この辺りは、今や当たり前の取組みでしょうが、、、私自身もサムスン(Samsung SDI)勤務時代には、主要情報は英語でアクセス可能でした。日本の大手電気通信メーカからサムスン電子に移ってきた方がいました。その方の日本の本社時代も、外国人がひとりでも参加している場合は英語でのコミュニケーションということでした。話が横道にそれました。


 2017年策定の長期ビジョンは、
  「未来の社会を支える会社になる」
とのキャッチフレーズです。
この意味合いは、「今ではなく未来に」 知らず知らずに使ってもらいことで「社会を支える」になるということだそうです。

2018年改定の行動規範は、TEIJINの文字をもじった遊び心のある説明でした。
詳細は、帝人のウエブサイトで確認できます。
TEIJINの言葉遊びは、アクセスしたページの中ほどにあります。{ベンゼン環、亀の甲}とともに説明している点も、化学の会社の帝人らしい、これまた遊び心です。

帝人としての具体例としては、
環境の面では、
  軽量化で自動車に貢献、リサイクル可能な熱可塑中心
安全防災の面では、
  防弾チョッキ材料の提供
少子高齢化・健康対応の面では、
  帝人ファーマなど
となります。

SDGsの全17Goalsのうち、特に8Goalsに結び付けた目標としています。
より具体的、定量的な目標とするために、
向う3年間の投資3500億円のうち、85%をSDGsに結び付けています。
個々の製品まで落とし込んでの活動ということで非常に細かな表の提示がありました。
私の興味の範疇で目についた内容は、
  Libセパレータ → グリーンエネルギ
  樹脂グレージング → 軽量化
  炭素繊維 → 航空機・自動車の軽量化
  炭素繊維、圧力容器・風力発電の羽根として → グリーンエネルギ
など、かなりたくさんありました。

もちろん、炭酸ガスの削減貢献量としては、
  提供までに要する(製造+輸送など)の総排出<削減量
との確認が前提となってます。

最後に、利益確保、株主還元などの経営計画を示されてました。SDGsに取り組みながらも、従来同等かそれ以上の企業活動を進めるという力強さを、総合的にコミットメントしていました。

最後に私の私見をまとめます。
帝人のご講演の最後の部分に、企業がSDGsへ取組む考え方が集約されています。SDGsを見据えた経営計画とし、対応方策に知恵を絞ることで新たな利益を生み出すということです。SDGsの9番目のゴールの「産業と技術革新の基盤をつくろう」が手段となり、8番目のゴールである、「働きがいも 経済成長も」の達成につながることとなります。