水素エネルギー社会(8)炭素繊維の地域ごとの消費用途の差について

炭素繊維の用途は地域ごとに、大きく異なっています。

日本の国内消費では、スポーツ用品用途が最大です。ゴルフクラブ、テニスラケット、釣り竿などです。一方、使用量としてみると航空機用途がトップとなります。先日のブログで、三菱重工大江工場に関して話題としましたが、ボーイング787向けの川重、富士重(と書きたくなりますが、今はSUBARUですね)等での部品製造での消費です。

このほぼ対面に東レの名古屋第一工場があります。ここには、A&Aセンタが併設されています。

さて、北米におけるCFの最大の用途は、高圧タンク容器向けとのことです。これは意外でした。しかし確かにアメリカには、高圧ガスタンクの製造会社が多数あります。実は調べてみると日本にも同様の会社が数社あります。

燃料電池自動車においては高圧水素タンクが重要部品となってます。トヨタ自動車は下山工場に、その一大製造拠点を構えました。おそらくはこの12月発売の次期MIRAI向けにフル生産状態でしょう。というように、もっぱらの用途はFCV向けかと思ってましたが、消防や病院での酸素ボンベ等も、高圧大容量化・コンパクト化の要求対応でCF化され、その消費が多いようです。実際、日本にも自動車向け以外の産業用途タンクメーカが複数あります。今後広がるであろう水素エネルギ社会を見ると、車載以外の地上タンクとしてのニーズもあり、使用量は拡大方向でしょう。

たとえば、あくまでも推定ですが、トヨタ自動車が東富士に建設するスマートシティ、Wooven Cityと呼んでいますが、そこでも、水素エネルギ発電の実験には取り組むことでしょう。

一方の欧州での最大用途は、洋上発電の羽根です。偏西風が一定に吹くために、洋上で安定的な発電が可能で広く普及しています。この羽根、1枚が60m程度のサイズとなり、それなりの消費先となっています。

さて、

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