
2023年9月、韓国の現地にて自動運転バス(現地では自律走行バスと呼んでます)とロボタクシー(当時は自動運転バスの一種の扱い)を調査しました。以下のようにレポート公開しました。
前回調査のサマリーは以下から
一年半後となる今回、現地にてその進展状況を調査しました。このレポートでは深夜ロボタクシーの調査報告です。
<目次>
最新情報はメルマガで。
メルマガ 配信登録は こちらから
各セミナ―で より詳しく講演します。ぜひご聴講ください。
↓↓ クリック ↓↓
近日開催のセミナー&オンデマンドセミナー 「次世代モビリティ関連」
1.ソウル特別市の施策/ハード・ソフトともに自国技術で
一連の取組みはソウル特別市の政策的な取り組みです。もちろん、韓国政府とも緊密に連携しています。ソウルでは、自律運転バス普及のために条例を作り、継続的に、かつ市内の要所要所にて推進しています。
実施地区や推進案に関して民間業者を募り(公募?)、それぞれの業者で運行・運営しています。もちろん、その結果は随時収集するとともに、整理精査の上、推進内容もブラッシュアップしています。
今回調査の2件に関しても進化が明確でした。
ソウル市の運営からも、その背景にいる韓国政府も、基本は自国技術の実用化がポイントとなっています。将来的に運用することが大前提です。もちろん海外展開でのビジネス化も視野に入れてます。ソウル市の条例内にも、さすがに海外展開を進めるとはありませんが、参画民間企業が海外展開する際にはその広報宣伝活動を支援することが書かれています。
日本では、各自治体が、あるいは国の機関が我も我もと競うように独自に実証していますが、その技術の相互横展開や、将来的な運用青写真が存在しない状況とは雲泥の差に見えます。担当している民間企業も、その会社ポリシーとして自国技術完結で進めることを明確に掲げています。
・思想と背景
すでに説明したように、自国技術の向上が核となっており、同時に実用運用までも視野に入れています。ソウル市内の一角を実証実験エリアとして、信号や監視カメラ等も改造・設置しています。実験後もそのまま残置しており、実証エリアを実用化の中核エリアと格上げしています。実験から実用化まで一貫性があります。
また、ロボタクシーや自動運転バスとも、実用の最初は、地下鉄の運行終了後から始発までの間の公共交通手段の補完となっています。自動運転バスやさらに、始発前の早朝バスとしても運用拡大が図られています。
行政によるシナリオと一貫性が明確です。さらに、あわよくば国外展開をも見据えているというしたたかさもあります。実際、SWM社はKOTRA(韓国技術や製品を海外へ紹介する公的機関)主催の日本での展示会にも出展しています。その際にお話を伺いましたが、日本でのターゲットは公道走行車ではなく、私有地(商業施設やレジャーランド、工場内など)をターゲットへの売り込みとのご説明でした。
2.今回の前身となるロボタクシー DMC駅周辺 2023年9月調査
前回の調査状況です。京義道安養市に本社があるSWM Mobilityの開発車両で同社が運用していました。
運行状況、SWM社およびその車両の特徴などの公開レポートは以下を参照ください。




3.江南で運用中の深夜ロボタクシー乗車調査
昨年から深夜ロボタクシーとして実用化が始まっています。走行エリアは江南の一部(下図の青線部)で、今年中に約2倍(現エリアの北、下図紫線部分)のエリアまで拡張が予定されています。

前述のSWM Mobilityによるものです。ベース車両が変わっています。前回は、KIAのミニバン カーニバルでしたが、今回は、KG MobilityのSUVがベースです。動画と写真で紹介します。深夜の撮影ということで鮮明でない点、ご理解ください。いつものように当社から2名、現地スタッフ1名の3名体制での取材です。
4.乗車調査しました
現在の自動運転エリアの北端付近で調査しました。奉恩寺駅と三成中央駅の中間付近からカンナム駅まで、約3.5kmです。写真は、乗車地点近傍の奉恩寺です。お釈迦様の誕生日を祝う飾り付けがされています。

・KAKAO Tで呼び出し
タクシーアプリのカカオTで呼び出します。
迎車地点(現在地)と目的地を入力します。クレジットカードとの紐づけなど事前に支払い手段を登録してあれば、その他の操作は不要です。すなわちカカオTそのものの機能です。唯一の違いは、呼び出し車両にロボタクシーを指定することだけです。
写真は、カカオTで配車の依頼操作中のスマホの画面です。動画からのキャプチャー画面に日本語のコメントを追記しました

依頼が完了すると、次の画面のように、向かっているロボタクシーの現在位置が示されます

乗車場所の状況です。片側3車線、うち歩道側の1車線が工事中でした。

待つこと約10分、いよいよ到着しました

ベース車両はKG Mobility(旧双龍自動車)のSUV Tivoliです

走行中の車内です。助手席後方には大きなモニターがあります。これらは2023年9月に乗車したKIAのミニバン カーニバルをベースとした以前のロボタクシーと同じです。

今回の走行ルートです。約3.5km、約11分でした。

車線変更や左折(左側通行の日本の右折に相当)も含めてほぼ自動運転でした。制限速度50km/hの片側3ないし4車線道路を、最高速度46km/hで走行しました。
乗車の体感、技術的意味合い等に関しては、今後のセミナーや各種の報告書・執筆でご紹介の予定です。
個別のコンサルティングサービスでは更なる詳細や今後の方向性などを解説いたします。
費用や内容などは、以下より、お気軽にお問合せください。
セミナーやコンサルティングなどのご相談窓口
このレポートのような内容は、「市場調査」や「電気自動車トレンド」に関する各種セミナーでも解説しています。セミナーでは質問にもお答えしています。
以下は直近で予定されているセミナーです。