トヨタ生産方式の導入はなぜ難しい?

トヨタ生産方式(TPS=Toyota Production Sysytem) は実によく話題になります。

しかし、いざ導入しようと思うとかなりハードルが高いものです。
実は、トヨタ時代は、TPSをあまり意識しませんでした。トヨタ内ではTPSベースが当然のことですので、普通に進めている業務は、TPSの考え方に基づいています。このことに気づいたのは、トヨタからサムスンに移ったあとでした。サムスンの方にTPSを説明しようと試みるのですが、どうにも通じません。常識の違いがあるように感じました。

典型的な事例は、「在庫を減らしましょう」との説明です。いずれ売れるものだし、万が一に想定外のトラブルで手元に商品がない場合は機会損失になるのだから、減らさなくていいでしょうと言われます。トヨタでは在庫を減らすことは当たり前で、その必要性の議論になどはなりません。

TPSは哲学的、あるいは宗教的な側面があるようです。すなわち、真実者は救われるということです。
TPSを導入する際には、徹底的に、そして本質的に導入する必要があります。ハードルは極めて高く、成果に繋がるまでにも多くの期間を要します。その覚悟がなく、トヨタは儲かっている会社だから、うちの会社もTPSを導入して利益率を上げよう、という程度では頓挫します。

導入の意思のある方には、丁寧にご説明し、実際の現場で一緒に活動すると、きっと理解を得られるとも思っています。