2021成形加工学会年次大会 マツダ 青木固技術賞

6月16日~17日 オンラインで開催された
「プラスチック成形加工学会 年次大会」に参加しました。

[ニュースリリース] マツダ、バイオエンプラ新意匠2層成形技術が
プラスチック成形加工学会「青木 固」技術賞受賞

マツダからも上記のようにニュースリリースされていますが、この業界の最高の技術賞ともいえる 青木固技術賞を受賞しました。
その記念講演のレポートです。

【青木固賞受賞講演】 [AL-01] バイオエンプラ新意匠2層成形技術の開発の期待
マツダ株式会社 一原洋平 

受賞理由(概要):本技術は、透明感のあるバイオエンプラの表層と、光を反射・吸収して緻密さと透明感を発現する模様を転写した基材との2層成形により、従来技術では困難であった緻密な柄と深みのある色合いが共存する意匠性をもつ成形品を得るものである。量産実績が多数あり、実用化が定着しており、さらに、材料の色や基材に転写する模様を変えることで、多種多様な意匠への適用の自由度も高い。本技術は、我が国のものづくり技術に大いに貢献するものと期待できることから、受賞業績としてふさわしいものと判断した。

バイオエンプラの材料開発+2層成形技術 

 → 従来にない、高品位の意匠部品を塗装レスで実現。
    CO2発生抑止への貢献も大きい(塗装レス)

1.材料; バイオエンプラ材の開発

植物由来CO2削減、塗装不要でコスト低減&CO2削減

透明性高く着色性も良い 
基本樹脂は共通で
   添加剤・着色料・フィラ等の変更で見栄え意匠性の変更自由度が極めて高い。

2.形状デザイン: 2層成形による高品位意匠の実現

表層は透明、下層はピアノブラックとの構成です。
下層表面に凹凸をつけることによって、表層越しに深みのある見栄えの衣装で、角度により柄が浮かび上がるという 従来に無い意匠に仕上げてます。

基本材料に
  光輝剤を添加しハイライト部で強い反射
  光吸収剤 ハイライト以外で反射抑制
という特徴の材料です。    

3.成形技術: 2層成形

回転式の2層成形法
下層表面の凹凸部が、2層目の射出時のせん断熱・せん断力で溶けるため
CAE+ゲート位置などの型仕様と成形条件の最適化で解決していまう。