
Hyundaiは、世界初の量産型燃料電池車である「ix35(TUCSON ix Fuel Cell)」の市場投入を皮切りに、スイスへ出荷した水素燃料電池トラクターや、韓国国内で実運用が進む市内・長距離バスなど、乗用車にとどまらない水素モビリティの社会実装を着実に進めてきました。こうした実績を背景に、現在も水素を中核としたモビリティとインフラの両面で事業展開を拡大しています。
2026年3月17日から19日にかけて東京ビッグサイトで開催された「H2 & FC EXPO 水素燃料電池展」(主催:RX Japan合同会社)において、Hyundai Motorは最新の燃料電池車「New NEXO」を出展しました。Tech-Tでは展示会場での実車確認に加え、韓国から来日した開発エンジニアによる説明を直接取材し、Hyundaiの水素戦略とFCV技術の現在地を確認しました。
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Hyundaiの水素技術
New NEXOは2025年にフルモデルチェンジされた量産FCVで、日本市場向けには右ハンドル仕様として2026年4月から発売予定とされています。会場では車両パッケージングや燃料電池ユニット構成、補機類の配置思想などについて、量産車を前提とした具体的な説明が行われていました。
車両仕様としては、鏡面サイドミラーとデジタルサイドミラー(CMS)の2仕様が用意されており、市場や法規への柔軟な対応が図られています。

展示の中で特に注目されたのが、AI機能を搭載した水素充填用の自動ロボットです。このロボットは、車両の充填口の認識から開閉、通信確立、水素ノズルの接続、充填、取り外しまでを一連で自動化するもので、将来的な無人ステーションや省人化運営を強く意識した技術と位置付けられます。水素充填における安全性と作業品質の均一化、オペレーター負担の低減といった点で、インフラ側の進化を象徴する展示でした。

Hyundaiは乗用FCVに加え、市内・長距離バス、大型トラック、トラクターといった商用車分野でも燃料電池車を展開しており、展示ブースでは累計導入台数や実走行距離といった実績が紹介されていました。あわせて、固定式・パッケージ式・移動式水素ステーションを含む「HTWO」ブランドによる水素インフラのトータルソリューションも提示され、車両とインフラを一体で捉えた事業戦略が示されていました。


まとめ
Hyundaiの水素技術は乗用車や商用車にとどまらず、水素トラム、建設機械、港湾AGV、さらには軍用車両など、多様な分野への応用が進められています。これらは電動化が難しい領域における現実的な脱炭素手段として位置付けられており、水素の用途拡張と需要創出を同時に狙った取り組みといえます。

Tech-Tでは、今回の展示会取材に加え、韓国現地での継続的な調査やオンラインでの技術・政策動向のモニタリングを通じて、FCVおよび水素モビリティの実装状況を追跡しています。今後も現地取材と展示会調査を組み合わせながら、実務に資する情報発信を行っていきます。


