電動化と射出成形 トヨタ生産方式の視点で

電動化に伴う部品複雑化

クルマの電動化、あるいはADAS等高機能化にともない、センサー・駆動デバイス・ECUなど対応部品が増加しています。これらは、電子基板やアクチュエータなどの機能部、樹脂やメタルの筐体、そして車体に締結するためのネジ穴などの締結機構で構成されています。機能部+金属部品+樹脂部品です。

これらの組み立ての効率化のために、各構成部品を包括的に一体化する工程を組みます。各構成部品をインサートした射出成形が拡大しています。

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ライン化した設備とトヨタ生産方式

これらのインサート成形は、各部品を加工して組み合わせた最終工程となります。各加工要素の完成度が高いことが前提です。

トヨタ時代にしばしば遭遇した課題は、ライン設備のトラブルです。複数工程を組み合わせたライン設備は、個々の工程要素設備の信頼性が命です。個々の加工要素の完成度が低い場合、ライン停止となり、完成度の低い要素が複数あれば、さらに稼働率を低下させます。

ラインのしんがりを務める射出成形機

電動化部品、ADAS等の衝突安全対応部品のインサート成形を受け持つのが射出成形機です。しんがり役で、故障やトラブルは許されません。
部品をインサートしやすいように、多くの場合は竪型の射出成型機が使われます。

「プラスチックス」誌の取材 

取材のために、株式会社ソディックの「名古屋IMMセンター」を訪問しました。その際お伺いしたお話から、前述のトヨタ生産方式とライン設備を思い出しました。
取材レポートは「プラスチックス」誌に掲載されますが、一部先行でご紹介します。

株式会社ソディック 「名古屋IMMセンター」概要

射出成形の技術サポートおよびアフターサービスの部門専用としての開設です。(写真) 

1階はアフターサービス用のパーツセンター、2階は事務所で、サービスパーソン15名、営業6名、技術スタッフ3名、事務4名体制で活気にあふれていました。

センターの機能 ~ジャスト・イン・タイムなメンテナンス~

東海4県は自動車関連部品の製造拠点であり、安定的な生産と部品供給が期待されているため、お客様からの支援要望に、常備してあるパーツをサービスパーソンが持って馳せ参じるといった、ジャスト・イン・タイムなメンテナンスへの取り組みが大きな狙いです。トヨタ生産方式的視点であると聞き及びました。

射出成型機がラインに組み込まれているために、ライン内の他の設備との連動やそのインターフェースに関する相談や要望も高いこともこの地の特徴であり、この面での即応体制として、設計経験も豊富な技術スタッフ3名(メカ・電気・ソフト 各1名)が常駐しています。

まとめ

インサート部品の複雑高度化は、万が一の成形不良の際の損失額の上昇にもつながるため、一層の成形信頼性が求められるようになっています。
東海4県では、トヨタ自動車関連が多いため、トヨタ生産方式の視点でのライン設備の信頼性の高さも重要です。

トヨタ生産方式に関しては、以下のように連載もしています。

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