カーシェアリングのAnycaとは?

HyundaiのEV IONIQ5に関してレポートしてきました。

調査報告: Hyundai EV IONIQ

IONIQ5はAnycaのOfficial シェアカーです。

このIONIQ5はカーシェアリングサービスのAnycaで借りました。

さて、カーシェアリングサービスとは何でしょうか? これは個人所有のクルマを時間貸しするというサービスです。Anycaはそのサービスの仲介会社です。クルマのオーナーおよび利用したい人(ドライバー)がそれぞれ登録します。ドライバーは、使用したい車種・時間・場所を指定して検索し、条件に合えば予約、オーナーがOKすれば貸出成立です。

運営会社は、IT企業のDeNAと保険会社SOMPOの合弁である株式会社DeNA SOMPO Mobilityです。オーナーないしドライバーとしての登録から貸し借り、費用の授受まですべてアプリ対応です。トラブルのときにはコールセンターへの相談や場合によってはサービスの現場派遣との対応もあります。

ただし、実際の経験として、現場派遣は時間が掛かる上に実際には派遣されなかった、また、コールセンターへの連絡は、朝のピーク時ということもあり5分程度保留されました。この間通話料が掛かることも気になる点です。実際の利用の際には、このようなデメリットも十分に理解されたほうがいいでしょう。

Anycaはオンライン販売のHyundaiのショールーム

Hyundaiの日本再進出は、店舗を構えないオンライン販売です。テスラも同様ですが、テスラは自社ショールーム(全国で6か所)を運営しているのに対して、Hyundaiは店舗レスです。このため試乗にはAnycaのサービスを利用しています。Hyundaiのウエブサイトで試乗にアクセスするとAnycaが案内されます。なお、Hyundaiは期間限定(5月28日まで)で原宿にショールムールを設置していたり、名古屋や大阪で10日間程度の試乗会を運営しています。また、横浜には常設のショールーム兼サービス店舗を開設予定ですが、基本はオンラインです。

なお、現在、AnycaでのHyundai車は「Anyca Official シェアカー」となります。これは運営会社の保有車両をシェアするというものです。(Hyundai車購入者にオーナー登録を勧めていますので将来的には個人間シェアとの2本立てと思われます)

試乗の狙いもあるためでしょうか、かなり安めに設定されています。

1時間 1200円

6時間 6000円

12時間 8000円

24時間 11000円

他に、走行1km当たり20円が加算されます。よって、満タン(満充電?)返しの縛りはありませんが、充電率30%を切った際には充電しての返却を要望されています。

写真は今回シェアしたIONIQ5のAnyca駐車場の状況です。Official シェアカーのナンバーはレンタカーと同じく「わ」です。リアドアにはしっかりとAnycaのステッカーが貼ってあります。

貸し出し・返却は非対面

Anyca Official シェアカー(一部の個人シェア車両も)は、非対面での貸し出し・返却です。予約成立後、貸出場所の詳細MAPが案内されます。開錠・施錠はあらかじめ登録した運転免許証を使います。クルマのリアウインドや側面後方の窓に写真のようなタッチ入力機器が取り付けてあります。

ここに免許証をかざす感じです。ちょっとしたコツが必要で、入力機器が非稼働状態の際には起動ボタンにタッチする必要があります。入力機器にもその旨が記載されていますが、最初は気付かなくて、何度かざしても開錠せずに焦りました。

開錠後、グラブボックス内のクルマのキーを取り出し、エンジン(モータ)始動となります。

以前借りたときに、最後の運転免許証をかざしての施錠ができませんでした。コールセンターに連絡し遠隔での強制施錠を試みましたが、ダメでした。そのまま帰ってよいとの連絡でしたが、格納式ドアハンドルのためにドアが施錠されていないことがわかります。結局サービスが来るとなったのですが、20分程度待っても来ませんでした。次の予定もありやむを得ずに離れました。約1時間後に、確認した旨の電話がありました。

トラブル その1 車体損傷の痕がある、

助手席ドアに当てキズがありました。確認するとリアバンパやリアのホイールアーチにも擦り傷があります。写真を確認ください、

前述の駐車状態の写真でわかるように、助手席側に黄色の柵があり、駐車スペースとしてはかなり狭い状況です。返却で駐車する際の数回の切り返しが必要でした。この柵への接触痕です。

出発前にコールセンターに連絡しましたが、この際に結構な時間、電話が保留されました。コールセンターではこの事故の届けを受けているか否かはわからない状況で、念のために写真を撮って保管してほしい旨を依頼されました。

後ほど、トラブル3の際に、事故が届けてあることはわかりました。Anycaの対応としては、あらかじめ使用者に連絡すべきでしょう。その連絡があれば無駄な電話確認が不要でした。ちなみに、結構、気になる打痕でしたので、ドライブ中も何かと周りの目が気になりました。この辺り、すなわち、すぐにトラブル対応しないという点も、レンタカーとAnycaの違いです。

車両の返却状況も確認しません。クルマの内部はかなりきたない状況でした。内装下部の各所に泥上のこすり痕が多数ありました。この辺りも、カーシェアリングの欠点です。

以上は個人間貸し借りの際には発生しないトラブルです。Official シェアカーだからこその欠点です。

トラブル その2 充電できない!

備え付けの充電カードが不良だったようです。本来備えてある充電対応マニュアルも有りませんでした。

トラブル その3 「青キップ」いただきました!

これは、もっぱらドライバーの責任です。返却場所の駐車場が込み入った路地の奥ということで、その進入口を探しながら走行しているうちに、どうやら、路線バス以外進入禁止の道路に入ってしまったようです。その後もその付近をウロウロと走っていると、お巡りさんが必死に追いかけてきます。

「やっと追いついた、進入禁止に入ったよ。交番まで来て」

数十年ぶりの交通違反、7000円でした。

返却場所がわからなくなってウロウロしていたと話していると、若いお巡りさんが、「昨日、このクルマの事故処理しました。駐車場での接触事故だったので場所わかりますよ」とのことでした。ということで、トラブル1に繋がります。

出発前に駐車場をメモリーし、その場所をNaviの目的地とすればよかったところです。貸出場所は都内の駅近くが多いのですが、その分、一方通行があったりして複雑な場所ですので、この対応は必須です。

今回のレポート、後半は少しグダグダした内容も記載しましたが、カーシェアリングの特質の説明は参考になる点もあると思います。