世界初 自動運転「深夜」バス 韓国ソウル

昨年(2023年)12月初めから、ソウルで世界初の深夜バスの運行が開始されました。ソウル市の自律運転普及プラットフォームに基づき、スタートアップSUM社の車両とシステムで運行されています。

ソウルですと現地に気軽に調査にも行けませんので、ソウル市の発表と現地報道ベースにレポートします。なお、昨年9月のソウル自動運転バス現地調査の際に同社のこのバスに乗車済みです。SUM社やこの車両などに関しては、以下のレポートを参照ください。

自動運転バス @韓国ソウル 旧大統領府付近周回の大型EVバス
自動運転バスに関しては以下も参考となるかもしれません。

埼玉工業大学 自動運転バス 入学式送迎で自動運転

ソウル市の発表、現地報道を元にまとめました。行政中心の長期に渡る実証・実用化のプロセスは、日本における新技術実用化に際して大いに参考になります。

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深夜運転バス 概要

現地報道によると「世界初の深夜自動運転バス」として、2023年12月4日~から運行が始まっています。運転保安管理者が2名同乗しての運行で、万が一のトラブルの際に対応します。レベル3の自動運転です。2027年にレベル4に移行する計画です。

写真左側運転席、および右客席最前面席が保安管理者の席です。
ソウル繁華街を東西に横断する路線です。東大門駅⇔合井駅のバス専用レーン9.8kmを往復します。

バス専用レーンではありますが他のレーンと物理的な分離は無く、しばしば一般車も侵入しますので、気仙沼BRTのようなバス専用とは異なった、より高度な安全管理が要求されます。
現状は右左折無しの直線走行です。2024年の延長路線および追加の新路線では右左折対応となります。

5G通信で、59か所で信号連携する他、信号機等の地上側カメラからは死角情報も提供されます。昨年から岐阜市で始まった実証試験走行もほぼ同様の路車協調システムです。

先にレポートした青瓦台・景福宮巡回バスと同じソウル大発のスタートアップSUM社の車両・システムで運行されています。

走行路線状況

かなりの交通量のソウルのメイン路線です。片側3~4車線の中央よりのバス専用レーン(写真 赤矢印)を走行します。

深夜帯のために昼間ほどの交通量ではありませんが、ニュース映像やSUM社のYouTubeを見る限り、周辺にはそれなりの乗用車が走行しています。なお、SUM社では毎週1便の走行ビデオを公開しています。

交通インフラとしての価値

地下鉄が運行休止の深夜の足です。

路線バスA21系統としての
 平日深夜 23:30~5:10に70分間隔で5往復運行されます。それぞれの始発駅のハプジョン(合井)駅と東大門駅を同時発車します。他に予備車が1台あります。

9.8kmの間に、片側20か所のバス停があります。

最高速度50km/h区間を平均40km/hでの走行で、SUM社公開のYouTubeから推察して、実質の所要時間は30分程度です。表定速度20km/hとなりますが、赤信号やバス停での停車を考えるとかなりの速度です。映像からも走行時速度は40km/h程度に見受けられます。

当面は無料です。2024年上半期2500ウォン未満で有料化を予定しています。

乗車の際、日本の交通系ICカードに相当するT-moneyカードをタッチします。

4か月で6400人が乗車しています。便当たりで計算したところ9.1人で、全乗客が同時に乗ったと仮定した場合の乗車率は50%弱です。

今後の予定

同路線は、東側に延長され、走行距離が約1.5倍となります。早ければ、2024年上期に延長されます。また、ソウル市内を南北に「早朝に」運行する新路線も計画されており、この秋に運行開始です。その走行距離は片道、実に26kmです。

主体はソウル特別市

計画から執行管理までソウル特別市が主体となっています。
2021年に制定した「ソウル特別市自律走行自動車の試験運行地区の運営及び支援条例」に基づいた活動です。グランドデザインは地方政府ですが、実際の運営はSUM社のようなスタートアップです。昨年秋に取材(写真)した、SWM社や42dot社などです。これに関しては続報します。

①SWM社 ②SUM社 ③42dot社

また、韓国の産官連携でのビジネス構築は見習うべき点が多いように感じています。こちらに関しては、メルマガ読者限定ページにて、【独自見解】としてレポートの予定です。

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