水素エネルギー社会(29)新型ミライの2倍売れているFCEV

産経新聞の記事では「ミライ快走」ですが・・・

<独自>トヨタFCV「ミライ」快走 販売5600台 – 産経ニュース

確かにタイトルも記事内容も誤りはないのですが、快走というタイトルに違和感を感じました。記事の中にも書いてあるように、生産能力3万台のラインに対して販売が5600台では快走とは言えないでしょう。
この産経新聞のように日本の新聞は国内情報中心ですので、HyundaiのFCEV NEXOの販売台数情報はあまり掲載されないようです。
日本国内情報だけで判断するとグローバル状況認識の適切性が欠けるかもしれません。

2021年、商業規模で販売されたFCEVは、トヨタ自動車ミライHyundai自動車NEXOです。
それぞれの国の業界団体の資料か台数を拾ってみました。

韓国の資料は当然ハングルですが、韓国Samsung勤務の経験から、なんとか読み取れます。
ただ、最近は、google翻訳どころか、写真撮影で翻訳するアプリなどもあり、その気になれば誰でも調べられます。

さて、グローバル販売台数は、NEXOがミライの約2倍、176%でした。
以下、詳細をお読みください。

ご興味おありでしたら 以下のブログもご参照ください。
水素エネルギ社会(30)世界初の量産FCEV

韓国HyundaiのFCEV NEXOとトヨタ自動車の新型ミライ

日本未発売の、ヒュンダイのFCEVのNEXOに試乗しました。

SUVタイプ、実用的でいい車です。韓国では月1000台以上売れたこともあります。キャンプに使えば、現地で電源供給もできるというようにもコマーシャルしています。

水素エネルギ社会(26) ヒュンダイFCVのNEXO 韓国内月間台数1000台超え

1年前(2020年12月)にトヨタが新型ミライを発売しました。月3000台の生産能力に対して、最近は月100台以下と聞きました。

NEXO 9,232台、 新型ミライ 5,635台

それぞれの国の業界団体の台数公表資料から、2021年1月~11月の台数を拾いました。

出典: 日本自動車販売協会連合会韓国自動車産業協会

それぞれの国内と輸出の台数は以下です。

グローバル販売台数としては、NEXOが9,232台、 新型ミライが5,635台です。
大きな特徴としては、ミライは輸出が多く、NEXOは大半が韓国国内向けということです。それぞれの国内台数としては、韓国内では日本の4倍販売されています。
韓国では、国の政策として早くから水素エネルギー社会に取組んでます。

以下はウルサン地区の水素関連化学団地です。

韓国でのFCEV購入の補助金も高いものでした。ただ、2021年からは日本の補助金が増額となり、現状は両国ともほぼ同額です。車両販売価格も、どちらも約700万円です。実質的な購入価格はほぼ同じです。確認はしていませんが、韓国の方が水素ステーション数が少ないとも聞きました。あるいは、ウルサン地区で集中的に使われているのかもしれません。

新型ミライは2020年12月の発売直後の1,2月で300台強で、その後漸減し、9月以降は100台割れです。一方、NEXOの韓国国内台数は、4月に1300台近く販売し、以降も数百台レベルで推移しています。生産能力の数%という現状が気がかりです。トヨタは、半導体などの部品不足の対応として、ミライ以外のクルマの生産を優先しているなどの事情があるのでしょうか? 

FCEVに興味ある方は以下もご参照ください。

アーカイブ: 水素エネルギ社会

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