複合材料学会 オンライン学術大会

3月2日~4日 オンラインで開催された
「第12回 日本複合材料会議」に参加しました。

第12回 日本複合材料会議 (jscm.gr.jp)

学会の学術講演の大会です。
講演プログラムは以下を参照ください。

JCCM-12_Program_Final.pdf (jscm.gr.jp)

オンライン大会の便利さを享受しました。
東京でのリアルな大会ですと二泊三日で費用も時間もかかるところですが、オンラインは自宅から、その瞬間の参加でOKです。また、リアルの大会の時は講演会場のハシゴが大変ですが、その辺りも、ボタンクリックで瞬間移動に近い感覚です。

多少、オンライン講演の操作に慣れていない方や、何らかの不具合での再立ち上げなどもありましたが、徐々に慣れていくところでしょう。若干気になるのは、音声の質と音量で、このあたりはWebソフトの自動調整機能などの進化が望まれます。

さて、主な印象を一言ずつでまとめます。

  • 9割以上はCFRPがテーマです。私自身もそこ狙いでした。わずかですが、セルロースナノファイバーのテーマもありました。検討の旬は過ぎたテーマのようですが、私自身は車体軽量化として継続ウォッチング中です。
  • 初日は、終日に渡っての「水素タンク」がテーマでした。NEDOの将来ビジョンから始まり、特別講演ではトヨタ自動車とホンダの共同での問題提起、車載容器に関する有識者のパネルディスカッション、東北大学の岡部先生からのマルチスケール解析に関するチュートリアルなど、実に興味深い内容の連続でした。
  • トヨタ自動車とホンダ共同での問題提起は、昨年末のFC-Cubicでも執り行われました。時間の関係もありますが、そちらのほうが詳細の内容でした。FC-Cubicはどなたでも参加できますが、内容は参加者以外に公開NGですので、ご興味ある方は次回のご参加をお勧めします。
  • タンク製法としては、分割組み立てタイプのFWや、そもそもFWではない、たとえばRTMなど、工法を変えることも多くの方の意見があり、その潮流を感じました。
  • FWの場合も、従来のテープ側だけが移動する巻き方から、テープ側とロボットで保持した本体の両方が同期して動くことでの大幅な生産性向上も提示されていました。
  • フランス Plastic Omniumから、タンクの開発状況のプレゼンがありました。欧州の状況に具体的に触れることができる貴重な機会でした。フランス現地から参加できることもオンラインならではのメリットです。発表者は、新型コロナの影響もあり、ご自宅からの講演でした。
  • 筑波大学の河井先生の講演を初めて聞きました。先生のご研究の疲労の考え方が良くわかりました。柔和で、しかも多くの方に理解してもらおうと考えてのご講演で、プレゼンターとしての能力も高く拝聴しました。

個々の内容について、もう少し詳しくまとめてブログで報告したいところです。ただ、最近はまとめの時間が取れない状況でして・・・

近々ですと、以下の「ご案内」のセミナで本内容にも触れる予定です。

以下のブログもご参照ください。

水素エネルギ社会(20)Hyundai FCV NEXOの秘密

水素エネルギ社会(21)Hyundai NEXOの水素タンク

水素エネルギ社会(23)トヨタの新型MIRAI