世界の次世代車 試乗④ Hyundai EV IONIQ5 走行編前半

前回は世界最大の3000mmのホイールベースを生かした内装パッケージに関してレポートしました。

今回はEVレポートの本流の走行特性をレポートします。

走行シーンのビデオは、このページの一番下となります。

日本での発売グレード4種のうちVoyageに試乗しました。

  • 標準
  • 長距離仕様(Voyage)
  • 長距離仕様+装備充実(Lounge)
  • そのAWD版(Lounge AWD)

走行可能距離(カタログ値) 618km

EVの場合は、走行距離が気になるところです。Voyage はその名が示すように走行距離が長いグレードです。
カタログ上の走行距離(WLTCモード、ヒョンデ自社計測)は、

  • 標準で 498km
  • Voyage/Loungeで 618km

です。

日本で購入可能な同価格帯のEVと比較すると、
発売予定のトヨタbZ4Xや発売されたばかりの日産ARIYAをわずかに上回り、TeslaのModel3ほどではない
という位置づけです。

始動したところ、残走行可能距離が144kmと表示されました。少なくても走行可能距離の半分程度の300kmを想定したいたので、これはかなり焦りました。150km前後の走行を予定してましたので、かならず充電が必要ということです。

充電でも大トラブルが発生しましたが、これも後ほどのブログで。

写真は、ステアリングホイールの内側越しに、走行性のパネルを視認した状態です。

右上の146kmという数字が残りの走行可能距離となります。
なお、このパネルの表示は中央の自動車マークの左側が速度表示バー(停車中なので0km/h)、右側が“電費”計になってます。

下の写真は、Hyundaiウエブサイトの3Dデモ表示です。速度表示バーと“電費”計の動作状態表示が確認できます。

さて上側、実車停車時の写真は約50km走行後に撮影しています。始動時の残走行距離144kmから推定すると表示は100km程度となるはずですが、12kmこのあたりの表示メカニズムは不明です。表示される距離よりも長く走れるとの印象でした。表示は最も厳しい走行パターンを考えての安全側となっているのかもしれません。

完全日本仕様のステアリングコラムとレバー式シフト

海外で車を運転する際、ウインカーとワイパーが逆で、右左折の際にしばしばワイパーを作動させてしまいます。右ハンドルのイギリスでもウインカーは左側です。ISOでは左ウインカーと規定されていますが、その以前からの日本は慣例的に逆配置のままになってます。日本に輸入される右ハンドル仕様のクルマも大半が左ウインカーです。しかし、IONIQ5は完全に日本仕様です。まったく違和感なく試乗できます。わざわざ日本仕様のステアリングコラムを開発したということです。

先に試乗したHyunaiのFCEV NEXOのシフトは、ボタン式で驚きました。運転を始めるにあたって、一瞬シフトレバーを探しました。いったん慣れると、左手でのボタン操作で違和感なく運転できました。

IONIQ5のシフトは

シフトレバー先端の回転式です。ヘッドライトの点灯やスモールに切り替える際に回転させるイメージです。ステアリングコラム右側のやや下に長さ10cm程度のレバーがあり、その先端が回転します。前方に回転するとDモード、後方に回転させるとRで、元の中間位置がNです。とまどったのはPモードです。レバー先端部が押しボタンになっており、ここを押すとPレンジに入ります。

圧倒的な電気自動車らしさ 動作に“遊び”が全くない

モータで走行するクルマ試乗としては、中国Human HorizonsのHiPhi X試乗や、前述したNEXO試乗をレポートしてます。いずれも、エンジン車とは全く異なるアクセル感覚です。アクセルの踏み込みで全く“遊び”なくクルマが動くという感覚です。IONIQ5はその特徴が顕著でした。アクセルをわずかに踏み込んだ瞬間に動き出します。ガソリン車の遊びの感覚を持っていると危険とも感じたくらいのレスポンスの良さです。後退の時には、突然クルマがバックする感覚です。

ガソリン車の場合、ブレーキをリリースすると、クリープ現象でクルマがわずかに動き始めますが、IONIQ5はまったく動きません。あわててアクセルに足を移すとすぐに動きますので、注意が必要です。

ガソリン車と電動車の走行メカニズムの差として当然であり、慣れが必要な部分ではありますが、将来、電動車しか運転経験がない人がガソリン車を運転した場合、意図したように動かない、あるいは勝手に動き始めるという危険なクルマと感じるかもしれません。

加速の圧倒感も電気自動車ならではの特徴です。ガソリン車では味わえない圧倒的な加速感です。しかも、エンジンが吹き上がるというような騒音もなく静かに100km超えです。160kw、350n/mのモータの力強さです。さすがにHiPhi Xの440kwには負けますが、NEXOの120kwよりは確実にパワフルな加速感です。

以下は、同クラスのEVとのモータ系の仕様まとめです。

アクセルをリリースした際のエンジンブレーキ(モータブレーキ?)の利きも強力でした。エンジン車でシフトダウンした際の急減速の感覚です。エンジン車の場合はエンジン回転数の急上昇とその音とともに原則しますが、このクルマは音もなく急減速です。高速は当然、一般道でも40km程度から少し先の赤信号を見つけてアクセルリリースした際には、最後の最後にわずかにブレーキを踏む程度でした。

なお、回生ブレーキは3段階で設定できます。確認しませんでしたが、おそらく最も利きの良い設定だったと推定しています。

フワフワした足回り

走り始めてまもなく気になったことは、サスペンションの減衰特性です。舗装一般道走行の際に、わずかな段差や路面凹凸部を通過した際、足回りのバネ的振動が後を引くような印象です。いわゆる、ボヨヨ~~ンという感じ。後に運転を変わったドライバーも、フワフワした運転感覚と言っていました。サスペンションの設計・味付けなのか、EV特有のスケートボード型のプラットフォームの影響なのでしょうか?

先に試乗したHuman HorizonsのEVのHiPhi X(同様なスケートボード型のプラットフォームを採用)では特に感じませんでした。

韓国では3年間、ヒョンデ(Hyundai)のソナタに乗ってましたが、サスが弱い乗り心地でした。高速道路で橋などの継ぎ目を通過した際に、車重をサスで支えきれずに底付きする感じでした。一般的にHyundaiはやわらかい足回りの味付けなのでしょうか? ただ、先日試乗したFCV NEXOではその感覚はありませんでした。

後輪駆動

このクルマの大きな特徴は後輪駆動という点です。EVの大半は前輪駆動です。TeslaやBMW i4など、走行性を重視するクルマは後輪駆動のようです。ただ、普段乗り慣れている前輪駆動車に比較して、とりわけ、良さも悪さも感じませんでした。今回はほとんどが高速道路の走行でしたので、山道走行ではその差が出るのかもしれません。なお、AWDモデルもあります。中高級価格帯のEVにはAWDモデルがありますが、ガソリン車よりはるかに容易にAWD化可能なためでしょう。

東京湾を一周

品川からアクアライン、京葉道を通っての東京湾一周コースでした。約125kmのコースです。

走行シーンの動画

一般道走行

工業地帯の一般道を走行しました。安全な速度での走行ですので、見ていてそれほど楽しいものではないかもしれません。

高速走行レポート

走り始めてまもなくと、東京湾をほぼ半周したときの2回分の走行レポートです。運転しながら走行の特徴を解説しています。

ロータリ旋回

ロータリを旋回してみました。低速15km程度と中速40km程度です。動画上はそれほどの差がありませんが、動画から切り取った静止画では速度差が出ています。左が中速、右が低速。

中速
低速

↓以下は過去の関連ブログです↓

Hyundai 電気自動車 IONIQ 5 日本発売!

Hyundai 電気自動車 IONIQ5とは?