水素エネルギー社会(35) 人とくるまのテクノロジー展2022から

5月に横浜で開催された人とくるまのテクノロジー展2022から
水素関連の展示を紹介します。
商用車や大型トラック、定置型としての燃料電池の活用が拡大する方向で
高圧水素タンクに対するニーズも増えそうです。

トヨタは新ミライのカットボデーを展示

トヨタ自動車は新型ミライの足回りモデルを展示していました。(写真)
説明の方のお話では、昨年のテクノロジー展向けに作製したものの1年越しでやっとお披露目できるとのことでした。
搭載3本のうち最後部のタンクは豊田合成にて製造しています。
同時開催の自動車技術会学術講演会では、豊田合成の方がタンク開発に関して講演していました。
樹脂ライナの射出成形時のウエルド抑止のためのリングゲートの開発、
2分割で成形したライナの溶着は非接触加熱を採用したなどの内容でした。

フランス FORVIA(Faurecia)社が FCVの実タンクを展示

FORVIA(フォルヴィア)とは、フォルシア(Faurecia)とヘラー(HELLA)を統合した新ブランド名です。
展示の高圧水素タンクはFaureciaによるものです。
写真のような長尺タンクです。

既にSTELLANTISの商用車(ブランド違いの2車系)に搭載されています。

(以下の写真出典:STELLANTISおよびFaurecia社ウエブサイト)

展示会のタンク全体写真からわかるように、3本のタンクが搭載されています。
STELLANTISでは、この3本のタンクとプラグインのバッテリを組み合わせる等、
ガソリン+バッテリと言ったこれまでのハイブリットとは異なる
新たな形のハイブリットで、水素+バッテリとして実用化されました。

この組み合わせにより発売した1トン積みの商用車の航続距離は400kmです。


FaureciaはHyundaiと大型トラックの分野でも協業することが発表されています。
Hyundaiは既にFCVの大型トラック XCIENTを2020年スイスに出荷していますが、
2021年Faureciaは、このトラック1600台分の高圧タンクを2025年までに供給すると発表しています。
(同社ウエブサイトのニュースリリースより)

トヨタ、ホンダから定置型としての燃料電池の活用提案

トヨタはFC技術の発展応用として、大型トラックと定置電源に関してもパネル展示していました。
再生可能エネルギー由来の電気から水を電気分解した水素の地産地消活用や、
変動する太陽光や風力発電の変動吸収のための水素化と
貯蔵として定置化の意義を説明していました。
(下記パネルは、トヨタ自動車の展示会資料より)

ホンダからもクラリティに搭載した第一世代FCシステムの大型トラックと
定置電源への活用が提案されていました。(写真)

第一世代のFCシステム

定置型の活用

燃料電池大型トラック ISUZU+HONDA

FCEVに興味ある方は以下もご参照ください。

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