水素エネルギー社会(18)水素社会への潮流

半年ほど前から、水素化社会の情報収集し、適宜コメントを加えての発信をしてきました。

菅首相の施政方針演説での、2050年に温室効果ガス排出ゼロとすることの表明など、
ここにきて、にわかにその潮流が強まってきたようです。
予想していた方向に大きく進み始めたとの所感を持っています。

日本国内にいるとなかなか情報が入ってこないので、アンテナを高くしています。

 ・水素燃料飛行機の試験飛行していること、
 ・水素燃料列車は複数の国で実用化されていること、
 ・水素を燃料とした船舶

 ・世界で一番FCVが普及した国は韓国、

といった情報にアクセスできます。

水素での発電

素人の発想ですが、水素そのものでの発電ができないものかと思っていたところ、日経の記事に、三菱重工で火力発電のタービンを水素用に置き換えることで経費も抑えての切り替えができるとのことで試験に成功(水素30%の混合燃料という限定ではあるが)を見つけました。EUでは、2050年までに58兆円もの巨額を投資して水素化社会を推進します。

水素からの直接発電なのか、燃料電池を介しての発電なのか、長期的マクロ的視野ではまだまだ方向性は定まりませんが、先日の首相方針演説での2050年温暖化ガス排出ゼロ宣言もあり、にわかに活況を見せ始めています。

中国動向

中国の動きに注目してきました。昨年のトヨタ自動車のFCV連携のニュースをかわきりに中国での拡大方法を予想していましたが、ここにきて普及促進策がどんどんと具体化しています。国家的にインフラ整備ができる中国では、普及速度は極めて速いと考えれます。

ヒュンダイ

Hyundai FC SUV  NEXO

FCV技術開発は、前述したように韓国が先行しているかもしれません。韓国お得意の政府と民間一体になっての技術開発です。サムスン内でもそのような動きを垣間見ましたが、さすがに我々は本流には全く近づけませんでした。噂で聞いた程度です。政府は金を出すが、実態は企業主体で、特に自動車は実質ヒュンダイ一社しかないことも、このスキームを進めやすくしています。

9月に日本で試乗会が開催されたNEXO(ネクソ)は、スタイリッシュなSUVです。航続距離も5分充填で820kmと、年末にトヨタが発売するであろうMIRAIが出るまでは世界最長航続距離です。報道の写真を見ると、右ハンドル、計器類も日本語表示です。日本販売予定はないとされてますが、かなり日本を意識しているようで、時期を見ての日本での発売も視野に入れていることでしょう

また、大型トラックXCIENT(エクシエント)をベースにしたXCIENT Fuel Cell 10台を、初の商用販売(リース形式)として欧州に輸出しています。2025年までに1600台の販売予定です。2022年に北米への導入を計画しており、来年カリフォルニアで導入試験に着手します。

Hyundai FC TRUCK  XCIENT Fuel Cell

NEXOとXCIENT Fuel Cellは、別ブログに詳細をレポートします。

余談ですが、ヒュンダイの大型バスはかなりの台数、日本で運用されています。東名高速や新名神でよく見かけます。乗客の雰囲気、運航している会社名から、外国人専用ツアー会社の運用が主体のようです。もちろん、このバスはFCではなく、コンベンショナルなエンジン駆動です。