EV試乗比較 bZ4X vs IONIQ5 その2

その1からの続き、bZ4Xおよび IONIQ5の試乗比較です。

EVは出だしが楽しい

走行特性、特に出足の加速感や力強さはどちらのクルマもEVならではの楽しさです。わずかにアクセルを踏んだだけであっという間の加速。モータならではの感覚です。さらにIONIQ5は4段階の回生ブレーキをパドルシフトで変更できるという走行時の味の変化も楽しいところです。一方のbZ4Xは在来のハイブリット同様のドライブとBモード(回生強めの設定)で乗り慣れているクルマという雰囲気です。

IONIQ5はアクセルペダルとモータ駆動が直結している印象で、まったく遊びがありません。すなわち一瞬のタイムラグの後に加速するという従来車とは異なる感覚で、慣れるまでは意図した動作よりも車体が出てしまう感じでした。慣れるまでは怖いと感じました。

フワフワした足回りのIONIQ5

IONIQ5の試乗でも詳細にレポートしてますが、サスペンションの減衰特性が気になりました。わずかな段差や路面凹凸部を通過した際、足回りのバネ的振動が後を引くような印象です。同乗者はしきりにフワフワした乗り心地で車酔いしそうだとのコメントです。車体に無理がかかるような運転はしませんでしたので、ボディの剛性なのか、減衰特性の設計なのかは判然としませんでしたが、何やら頼りない印象です。

一方のbZ4X、ごく普通のクルマです。ここまで、EV、FCV5車種を試乗しましたが、bZ4Xは極標準的に安心して運転ができました。

安全視認性の補助機能

IONIQ5は発進時の全周モニターや、ウインカーと連動して大型Display内にブラインドスポットの映像が表示されるなど、複数の安全視認性を高める機能がありました。

一方、bZ4Xは電子式のルームミラーを搭載しています。明るく見やすい、また、地下道走行などの際もカメラ画像ですので明暗変化が少ないものでした。ただ、何度か視点をミラーに移した際に瞬間的にミラー部映像と目の焦点が合わないタイミングがありました。慣れで解消するようです。今回はわずか20分ほどの試乗でしたので、慣れる間もなく終了でしたが。

bZ4Xデジタルインナーミラー

IONIQ5はグレードによってはHUDが搭載されていました。以前乗っていたマツダのデミオにも搭載されていましたので、かなり標準的な機能となってきたようです。今後はさらにAR型のHUD、すなわち、仮想的に前方路面に弊社されるといったものに進化していくでしょう。AR HUDは、人とくるまのテクノロジー展YOKOHAMAで日本精機がデモ展示していました。こちらは後ほどの展示会レポートで動画入りでレポートの予定です。

なお、試乗時の記憶があいまいですがbZ4XはHUD搭載は無かったようです。ただ、メータがかなり奥にありますので、ARではない従来型のHUDによるフロントガラス投影(デミオは透明パネルが起き上がり投影される)とは視点移動の少なさは同様のレベルです。

快適な大型ムーンルーフ

どちらのクルマにも大型ムーンルーフ仕様でした。(IONIQ5はエントリーグレードには設定なし)

 bZ4X                      IONQ5

写真のような解放感です。ルーフ全面が空といった雰囲気になります。ただ残念ながらbZ4Xは運転席上部でムーンルーフが仕切られ2分割構造でしたので、その分解放感も損なわれてしまい残念でした。

総合評価 「トヨタ式」星取表

最後にトヨタ時代に良く作っていた星取表で評価をまとめました。bZ4Xが短時間評価であること、個人の好みによる定性的評価である点、ご理解の上で参照ください。

調査の詳細や今後の方向性などのコンサルティングのご相談は以下のお問い合わせからお気軽にご連絡ください。

お問合せはこちらから