茨城県境町 自動運転バス乗車3 ~路線と走行状況~

今回は、実際の試乗から見た、運用状況をレポートします。

運行本数と路線

2路線で運行されています。ほとんどの区間、公道の走行です。

道の駅さかい⇔高速バスターミナル(約4km 約35分)、上下8便
道の駅さかい⇔シンパシーホール (約3km 約20分)、上下12便

停留所間隔はおおむね300m置きです。

(路線図出典:境町ウェブサイト)

停留所の時刻表写真でもわかるように、本数的にはまだまだといった状況です。ちょうど我々と同じバスには通院のために乗車された方もいましたが、帰りのバス時間が合わない場合はタクシーで帰宅すると言われてました。その方は運転免許を返上したとのことで、これからの高齢化社会の足としてのあり方を考えさせられました。

なお運賃は無料でした。 

運用台数は3台です。当日見かけた2台の他に意匠公募の車体があります。

ビデオは道の駅さかいへの到着と出発シーンです。一般道への出入りとその際のオペレータの監視状況が確認できます。

車体と運用管理

車体はフランスnavya社の自動運転レベル3対応のARMAです。運転席は無く、このため前後の区別もありません。走行方向の前後は自由に変更できるため、電車のように終点での折り返しも容易、狭い敷地でも反転運転可能です。ただ、日本では法的に車体の前後の規定(走行方向の規定?)が必要なようでこのような運用はできないようですが。

ARMAは、走行機能+安全確認機構+自動運転制御ソフトがパッケージされており、あとは運用管理のマネジメントがあれば自動運転バスの導入が可能です、

車体のLWHは4750×2110×2650です。トヨタ自動車のマイクロバス コースターのサイズ LWH6255×2080×2630と比較しますと、全長が1.5m短くなっています。幅と高さはほぼ同じです。定員は15人です。

機能上の最高時速25kmですが、国内運用では20kmが最高のようです。

ご覧のように、車体の窓が大きく、前後天井の一部もガラス仕様となってますので、写真のように車内からの視界は抜群です。観光地をゆっくり周遊するなどの活用も期待されます。

導入並びに運用はソフトバンク関連のBOLDLYが請け負ってます。車内写真にも同社の制服を着た運行オペレータが写ってます。

当社ウェブサイトで本件と並行で、大阪メトロ主催の次世代交通システムMaaS体験をレポートしていますが、そちらの自動運転バスもnavya+BOLDLYの組合せでした

AWSですので、かなりの小回りが可能です。転回シーンのビデオでご確認ください。

運用状況の動画

ビデオで走行状況をご確認ください。

かなり狭い道も走行します。20km/h程度の走行ですが結構スピード感があります。信号待ちや信号交差点右折などもご覧ください。比較的交通量の多い道も走行しますが、その際は後方に車が溜まる状況でした。ビデオにはありませんが、いったん路肩に停車して後続車を先に行かせる対応をしていました。

また、終点の「道の駅さかい」で到着・出発シーンもビデオにまとめました。転回折り返しや一般道への流入状況、AWSにより、かなりの小回り旋回などが確認できます。

ご参考

自動運転「レベル4」法制化と自動運転バス – 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント

永平寺町の無人自動運転移動サービス – 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント

気仙沼BRT 取材(2)自動運転 – 技術オフィス Tech-T 開発と製造のコンサルタント