海洋分解する新たなバイオプラ

ヘミセルロース

この名称を知っている方は結構なプラスチックの情報通の方かもしれません。
比較的最近実用化されたバイオプラスチックです。
海洋分解性が高いことが特徴です。
再生可能な植物を原料とし、海での分解性も高いということで、理想的、SDGs的材料かもしれません。

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インターモールド名古屋での取材

専門月刊誌への展示会レポートと、当ブログのレポートを兼ねて展示会インターモールド名古屋(主催:インターモールド振興会)で取材してきました。

 (株)事業革新パートナーズ/(株)ヘミセルロースの展示ブースにて、ヘミセルロースの先駆者である茄子川仁社長にお話を伺いました。

ヘミセルロースは植物を構成する3要素の一つ

セルロース・リグニン・ヘミセルロースで植物は構成されています。
セルロース・リグニンはよく耳にするように利用が進んでいます。
ヘミセルロースの利用が進んでいない点に着目しています。
利用が進んでいない分、利用技術も未発達でした。
そこで樹木・植物から抽出・合成等の技術を開発(特許技術)し、商品名 HEMIXとして発売しています。
写真は原料と製造されたヘミセルロース樹脂材料です。

海洋分解性が高い!など、多くの利点 

まずもっての特徴は、食品廃棄物など原料が不可食材という点です。
ヘミセルロースは非晶性材料ですので、ポリ乳酸(PLA)と同様に透明な樹脂となります。
一方で、PLAと比較して、圧倒的に高い流動性を示すとともに、耐熱性も高いという特徴があり、成形しやすく用途も広くなります。

そして最大の特徴は、土中とともに、海に流出してしまった場合でも、海洋での分解性が高いという特徴があります。

他の樹脂とのブレンド・アロイとして使用

経済性と総合的な特性から、他の樹脂とともに使用します。
相手の樹脂は石油由来でのバイオ樹脂でもOK。
バイオ樹脂との組み合わせの場合は、100%バイオ樹脂となります。
写真は加工の流れイメージです。
PLAと組み合わせた樹脂はバイオ度95%のバイオマスマークが付いています。
コップを成形しています

次の写真は、ポリスチレン(PS)と組み合わせた例です。

チャレンジ的な活用としてシャツを紹介していました。
紡糸の際の高張力にも耐えるような品質安定化がポイントとのことでした。
このシャツは、ヘミセルロース繊維とセルロース繊維の混紡です。

ユニークなビジネスモデル

食品廃棄物を原料として、価値あるプラスチック製品へ加工しています。
しかも、食品廃棄物の処理に悩んでいる企業とともに、作り上げたバイオプラスチックの出口も作り上げ、持続可能なビジネスとしています。
3例、ご紹介いただきました。

キリン一番搾りの絞りかす大麦から 化粧品の容器へ

大麦の搾りかす→フィルム→真空成形→化粧品ファンケルの詰め替え容器へ

明治のチョコのカカオ豆薄皮(カカオハスク)から プラモデルやトレイへ

未成熟等のバナナ廃棄物から バナナ包装フィルムへ

廃棄バナナ→バイオフィルム原料→フィリピンでの送りフィルムに成形→バナナの包装に

成形時に際しては吸湿対策

吸湿性の高い材料のため、予備乾燥や成形金型でのガス抜き機構などの対応が必要です。

コストが課題

コストが最大の課題かもしれません。
まだまだ流通量が少なく、また樹脂としての一定の特性の確保のためなどで、こなれたコストにはなっていません。
抽出や合成等の加工法の低コスト化を期待しています。

一方で、ニワトリと卵の理論から、まずは食品廃棄物由来であり海洋分解性も高いという特徴を生かして高くても活用する、活用できるという用途開発も重要な課題です。

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