
2021年11月、実証実験に関する現地取材レポートを掲載しました。
12月5日から上下2便で定期運行
JR東日本から実用化がアナウンスされました。
4年3回の実証試験を経ての実用化です。
2022年12月5日から上下2便で定期運行となります。
自動運転区間は4.8kmと気仙沼BRTの一部ですが、この間では完全自動運転となります。
時速60kmという高速度での定期運行実用化としては、おそらく、世界最高速度でしょう。

自動運転区間以外もそのまま同じ車体で運行するために、自動運転区間でも運転手は乗車したままです。
BRTの専用軌道内ですので基本的にはバス以外が侵入しません。
これにより時速60kmで約50人乗りの大型バスの自動運転が可能となってます。
BRT路線や専用軌道に関しては、先のレポートを参照してください。
気仙沼BRT 取材(1) 東日本大震災からの復興はBRTで
高速度とトンネル内走行のための高精度自車位置探知機器類
バスの専用軌道は元々は単線の線路でした。
したがってすれ違いができないために待避所が設けられています。
また、トンネル内走行が必要です。
この安全確保のために三重の自車位置探知機器を搭載しています。
(1)磁気マーカ
(2)RFID
これらは、専用軌道に埋め込まれた機器と車体下部の機器間での通信により走行位置を検知します。

(3)GNSS
そのほか、屋根中央部のアンテナと衛星で通信することで全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System)を使用した位置検知を利用します。
自動運転バス専用のデザイン
バスのデザインは専用となりました。


以前取材時の写真を掲載しますが、当地の名産品の海鞘(ほや)にちなんだ、ご当地キャラクターの「ホヤぼーや」がいなくなったのは残念です。

キャラクターは当地の名産品の海鞘(ほや)にちなんだ、ホヤぼーや(取材時撮影)
(写真・図表出展:JR東日本のニュースリリース、一部当社取材時の撮影写真)
名古屋のゆとりーとライン
名古屋の「ゆとりーとライン」も、気仙沼BRTと同様です。自動運転区間も運転手が乗車したままで、その後運転手が手動で運転します。
ゆとりーとラインは半自動運転バス? - 技術オフィス Tech-T取材レポート
ゆとりーとラインは速度の制御は運転手で、ガイドウェイバスという別名もあるように、専用高架軌道では車輪前後のガイドローラによりステアリングを自動操作します。半自動運転です。(運行主体の会社名もズバリ「名古屋ガイドウェイバス株式会社」です)


(写真出展:名古屋ガイドウェイバス株式会社ウェブサイト)
ゆとりーとラインは基幹的な路線で、朝のピーク時間帯には、時間当たり22本、最短2分ピッチでの運行となってます。
車体老朽化のために、自動運転バスの導入の検討が始まります。
前述のような機構であり、高架軌道部は鉄道法による扱い、一般道走行は自動車となり、専用の高価な車体となっています。