【独自見解】全く新規性のないソニーホンダモビリティ@CES2023

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ソニーホンダモビリティWebSiteのCES2023ニュースより

本レポートは当社独自の見解であり、一部裏付け確認が完了していない推定情報も含んでいます。
各写真は、基本的には、各社のWebSiteからの引用です。

なぜ、CES2023のソニーホンダモビリティに新規性がなかったのか?

以下の各セミナ―では、本レポート あるいは関連内容に関してさらに詳しく講演しています。
(セミナの内容によっては、本レポートそのものに触れない場合もあります)
ご興味ある内容がありましたら ぜひご聴講ください。
近日開催のセミナー&オンデマンドセミナー 「次世代モビリティ関連」

見るからにつまらない、ありふれたスタイルデザイン

最近の電気自動車(BEV)のデザインの流行を平均化したようなスタイルです。

ソニーホンダモビリティWebSiteのCES2023ニュースより


2025年の市場投入を考えた場合、現時点での外形意匠はまったくできていなくて当然です。
仮に今の段階での先進的デザインを発表しても、2025年に踏襲されることはないでしょう。
そもそも、本気で意匠していない、できていないはずです。
その結果、見るからにつまらないクルマになってます。

えっ、そのプレゼン内容、他社で発表済み・実現済みです。

新規性が無いと感じた点ですが、メインでの発表内容は既に、多くのカーメーカも取り組んでいること、実現していることでした。

3点紹介しましょう。

Technologyとしては2点、発表されています。

世界トップクラスの安全性能の追求

センサー・カメラ類45個搭載とされていますが、すでの3年前のVISION-Sで40個搭載です。
なお、VISION-S開発のコンセプトや上述の2021年の自技会での講演から、ソニーらしい先読みしたイメージセンサービジネスの潮流を感じてワクワクしました。残念ながら、モビリティとしての明確なビジョンが伝わってきません。
800TOPSも、既に2年前の中国で、百度から800TOPS、ロボタクシースタートアップのautoXから2200TOPSが発表されています。
ましてや、QualcommSnapdragon Digital Chassisの採用に至っては、OEM業界標準(以下の写真)の採用としか聞こえてきません。

Qualcomm ウエブサイトより

リアルとバーチャルの世界を融合させた次世代エンタテインメント

Epic Games のUnreal Engineでの3D描画は、これまたOEM業界の標準の採用です。

以下の写真は、Epic Games Japan の昨年9月のWEB講演会ですが、この中で
 デンソー / SUBARU / トヨタ自動車 / 日産自動車
が講演しています。

Epic Games Japan ウエブサイトより

ドライバの顔を認証し、ドアが自動オープン

もう一点、注目した先進性がこれです。
ただし、これは、既に2021年、中国で販売された高級BEVで実現済みです。
以下の写真、アウトサイドドアハンドルがありません。


以下の当社レポートを参照してください。
世界の次世代車 試乗① 中国製超高級EV HiPhi X(その2)世界初 電動開閉ドア
なお、日本のサーキットで試乗しましたが、その際は顔登録をしなかったために、Bピラーのボタンでの自動オープンです。

CES2022の ソニー VISION-S と全く同じインパネデザイン 

AFEELA Prototype インテリア
ソニーホンダモビリティWebSiteのCES2023ニュースより

以下の講演聴講レポート(ソニー川西泉氏によるVISIONS(その後、VISION-S 01 と改名)に関する自技会での講演)の中ほどにインパネ写真がありますが、まったく同じものです。
聴講報告:2021年自動車技術会 Keynote Address 「ソニーのモビリティ」

2020年の時点では画期的と感じましたが、その後は各社から斬新なインパネデザインのクルマが発売されており、脱個性化した印象を持っていました。
AFEELAのインパネに関しては、検討する時間的余裕が全くなく、とりあえずVISION-Sを持ってきています。

なお、2021年5月のこの講演の中では、ソニーとして自動車そのものを販売する予定は全くないと言い切っていました。言い切り方からしてその時点では事実だったとの印象を受けましたが、約半年後のCES2022ではソニーモビリティ設立が発表されました。

「電気自動車」の本質の発表が無い

出力や航続距離などの詳細は当然として、電気自動車としての走行特性など、走りに関する発表は無かったようです。
同時に、ホンダの色を全く感じない展示発表でした。

結論;まだ何も決まっていない! 

聞きかじりの情報も含めて、時系列で整理します。

2020年1月 CES2020でVISION-Sを発表
2021年夏 ホンダ内若手が社長にソニーとの連携を進言
2021年晩秋 ホンダ社長がソニーに連携申し入れ
2022年1月 CES2022でモビリティビジネス化を発表
2022年4月 ソニーモビリティ株式会社設立
2022年9月 ソニーホンダモビリティ株式会社設立
SONY、EVビジネス参入へ
SONYとHONDA 2025年EV発売へ

会社設立からCES2023まで、わずかに3か月。
ソニーホンダモビリティからアウトプットできるほどの検討は何も進んでいないと推定されます。
そんななかでCES2023で展示をしなければならない、
 まずは、無難なスタイルデザインで
 インパネはそのままで
 先進性のある内容でプレゼン・貴社発表を
 走行系はまだまだ発表できない まずはソニーのアイデアでお願い byホンダ

こんな状況が透けて見えます。

まだ何も決まっていない。

タイミング的にやむを得ないでしょう。

今後、本気の検討結果として、どのような内容が公開されるか、注目していきます。
 

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